
『BSE問題講演会』 開催
●ファーキンス夫妻(講演要旨) 「BSEに最愛のわが子を奪われて」
英国ではBSE問題が発生していたが、長男エリスと弟ニックの2人とともに我々は普通の生活し、危機感は全く無かった。
それが2000年8月に突如悲劇が訪れる。24歳だった長男のエリスが体調の不調を訴えた。エリスは学校の教師をやっており、体力的にも精神的にも充実していた。そのときは家族全員「些細な病気だろう」程度の認識に過ぎなかった。しかし、様々な医師に見てもらったが、一向に治る気配は無く病気の進行によって徐々にエリスの体は蝕まれていった。1ヶ月ほどで体重が14キロも落ち、数ヶ月で歩くことも出来なくなり車イスを余儀なくされた。その間もの忘れも酷くなり、言葉を発することもままならなくなった。家族全員がパニックに陥った。様々な検査の後12月に「変異性クロイツフェルトヤコブ病(以下、ヤコブ病)」と診断され、余命があまり無いことを医師に告げられた。日に日に弱っていくエリスに我々家族がしてあげられることはほんの少しだけだった。エリスは01年3月1日に25歳という短い生涯を終えた。お子さんをお持ちの方は、お子さんの最初の言葉を覚えているだろう。我々家族はエリスの最後の言葉を覚えている。
英国政府は保障はやってくれるが、BSE根絶のための対策が無い。そのためにヤコブ病患者の発生を止めることが出来ておらず、我々と同様の思いをする家族が後を絶たない。このままでは更に拡大することも懸念される。そのために夫婦2人で、BSE問題の根絶に取り組むヒューマンBSE財団(非営利団体)の役員となって、様々な活動をやっているがまだまだ途半ばだ。英国民の関心を高めることが最大の課題となっている。
日本では米国産牛肉の輸入が再解禁になるとのことだが、「危険な食べ物は食べない」ではなく「危険な食べ物は日本に入れない」ための活動をやってほしい。
もう2度と我々と同じ思いをする家族は出てほしくない。
●民主党衆議院議員 岡本充功(講演要旨) 「米国のBSE対策」
1月の米国産牛肉の再禁止を受けて、民主党独自で米国の現地調査団が結成され、私自身一員として訪米した。ハッキリ言って、米国のBSE検査はズサンだ。日本のイメージで現地調査したものだからその格差にショックを受けるぐらいだった。
先ず、ウシの解体処理工場を数社視察したが、従業員は英語の話せない若い移民者が多かった。聞けば勤続期間も数ヶ月と短く、入れ替わりが激しいようだ。マニュアルはあるがその内容の徹底は怪しく、視察した工場はまだ良い方とのことで空恐ろしい。その後は農務省のジョハンズ長官等と意見交換したが、「BSEで死亡する確率は交通事故よりも低いから輸入しろ」との主張を繰り返すのみで無責任極まりない。6月に小泉首相は輸入の再解禁を決定しているが、安全性は担保されていない。日本国民の安全を犠牲にしている。今後も全力で問題を追及し、安全な食を供給できる体制の構築を確立したい。
JA福岡県労組は三月二五〜二六日に「トリアス久山(糟屋郡久山町)」で「福岡県農業ふれあい祭り」を開催しました。これは、毎年三月に開催してきた「再建!福岡県農協労働者総決起大会」を、更なる運動前進を目指すために発展的に見直し、農業とJAを消費者へアピールすることを目的に開催しました。また、この取り組みはこれまで労組青年部が開催してきた「福岡県農産物ふれあい市場」を含めた開催としています。
これまで青年部で開催はしてきたものの、県全体・2日間というのははじめての取り組みであり、県連労組との共同開催という大規模な取り組みとなりました。事前に各支部からの代表責任者を決定し、3度にわたる会議を重ね、開催にこぎつけました。
開催当日の二日間は天候に恵まれて、新聞や広告チラシ等においても開催告知をおこなったおかげで多数の来場者が会場につめかけて、各支部より持ち寄った農産物も飛ぶように売れ、充分な県産農産物およびJAのアピールをおこなうことができました。
また、農産物の販売のほかにも、会場周辺では農業体験やヨーヨー釣りのコーナーも設け、多数の子どもたちの笑顔を見ることができ、モチつき大会でつき上がったおモチを来場者へ無料で配布、長い行列が出来るほどでした。なお、取り組みでは農産物の販売のみではなく、農業アピール行動として福岡市天神地区においても国産農業の重要性をアピールするチラシおよび県産農産物の無料配布をおこなっています。
今回は初めての祭り形式での農業アピール行動で、手探り状態のなかでの企画運営であり「大成功」とまでは言えない内容だったかも知れません。しかし、労組員のなかまのみなさんの協力により、祭り開催の目的であった「福岡県農業およびJAのアピール」は充分に出来たと実感しました。今回のために尽力いただいたみなさん、本当にご苦労さまでした。今回の経験を基に更なる運動の前進に向けて全労組員でガンバロウ♪
・・・それにしても農産物販売の最後の勢いは凄かった。JA労働者の底力を見た!

全支部からの農産物やオリジナルの加工品等々、延べ100近い農産物が集まりました。あまおう・ねぎ・キャベツ等々・・・。
また、加工品ではワインや味噌、八女茶等がところ狭しと並び、文字通りの対面販売で、農産物の特色や『ウリ』、たくさんの『おまけ』もしながら、販売しました。2日間ですべての農産物を売り切りました。

イベントコーナーでは県連労組が中心となってかく企画を実施しました。
餅つきとお持ちのふるまい・九州ブランドのお米『九州男児』のすくいどり・栽培体験コーナー・風船プレゼント・ヨーヨーつり・県 産農産物を使ったレシピ、試食コーナー、株)ふくれんジュース等の試飲コーナーなど、多くのイベントを行い、多くのお客さん を迎えました。

安心・安全、県内農産物のアピール活動を初日(土曜日)に天神において実施しました。約30名が、天神にでて、チラシに県 産農産物を添えて配り、安心安全、農業の大切さ、県内農産物のアピール活動を行ないました。

併せて、会場内においてもチラシ配布活動とドームでのイベント告知を行いました。中には熱心にチラシのないようについて 質問されたり、会場を聞かれるなど、関心は高かったと言えます

会場内に安心安全やWTO農業交渉、県内の特産品紹介等々のパネルを展示し、宣伝活動を実践しました。
農業・農協問題学習会開催
10月19日、各支部の執行部および営農担当者93名が参加して「農業・農協問題学習研究会」を開催しました。
学習では先ず、九州大学大学院の甲斐諭教授より「農協の現状とこれからの課題」として、JAに欠けている点について厳しい指摘がおこなわれました。またその後はイー・アグリ株式会社の堂脇広一代表取締役より「インターネットを使った新たな販売戦略」をテーマに、堂脇氏が取り組まれる農産物の販売戦略について講演をしていただきました(両氏の要旨を左段に掲載)。
学習の終了後は、にじ支部の佐藤賢二氏および福岡八女支部の松尾一男氏より「自農協の販売戦略と実践」として報告を受けました。
講師の要旨・報告者の内容は以下のとおりです。
「農協の現状とこれからの課題」
九州大学大学院 農学研究院 教授 甲斐 諭 氏
たまにJA職員を対象に講演をやるが、講義中に居眠りをやっているひともいる。危機感が全くない。「あなたがたのことだよ」と言いたい。青果市場等の卸売市場も経営が厳しく、法整備によって大きく変わろうとしている。これまで卸売市場と一体となってやってきたJAも大きな影響を受ける。これまでの「市場への丸投げ」からこれからは「自らやる」という意識で自己販売の努力をできるJAが生き残る。
農水省は「自給率向上」を謳うが、では、そのために何をなるのかの具体性が無い。また、農水省が謳うのはカロリーベースでの自給率向上である。これではカロリーが全く無いお茶は換算されないし花卉だって入らない。現在の日本の現状に沿ったものではないのだ。カロリーベースではなく、金額ベースでの自給率向上を目指すべきだ。
数年前に、中国産の冷凍ホウレンソウの残留農薬が問題になった。その後、中国も韓国も日本に輸出する農産物の「安全性」にはとても敏感になった。特に韓国政府は農産物品質管理院を設置して、月2回の残留農薬等の品質検査を各農家にやっている。日本の基準は1年に1回程度。日本よりも厳しい管理体制だ。農水省が中心となって「攻めの農政」をスローガンに進めているが、「日本は何やってるの?」と言わざるを得ないしJAも同類だ。九州でも直販所が大盛況になっているにも拘らず、未だに直販所に出荷する農家組合員を部会から排除したりする。今の状況が分かってない。福岡のある農業法人は、たった10人で1年間に6億円もの売り上げ、人手が足りないから外国人を雇ってやっている。メリットのあるサービスができれば農業法人もJAを利用するのに、JA自身が離れていっている。「痒いところに手が届いたサービス」ができる体制づくりをJA役職員が頭を切り替えてやらねばならない。
「インターネットを使った新たな販売戦略」
イー・アグリ株式会社 社長 堂脇 広一 氏
「e−アグリ」を発足させる前、中山間地農業のコンサルタントに携わっていた。その当時から農政の補助金体質に疑問を感じていて「ハコモノ農政は農業衰退を招く」と危惧し、もっと中身のある農業の育成を目指した。その結果、インターネットを使い会社を発足させ、農産物の販路を広げたい農業生産者やJAと特徴ある農産物を扱いたい小売スーパーを直接結ぶ電子商取引市場として「あぐりぷらっと」というサイトを立ち上げた。楽天やライブドア等もやっているが、我々のサイトは農産物販売のみに特化している。このサイトは会員制で運営しており、生産者会員には個人の農家は勿論、農業法人や地方市場、JA、全農県本部も加入している。購入者会員は5〜6店舗のスーパー業者や全国展開をしている大規模スーパーもある。毎日、多くの会員が商取引をおこなっている。直接のやり取りであるため互いに「生の情報」がダイレクトに入って取り引きがおこなわれる。
我々の会社は、主にその取り引きのなかに入り込み、生産者会員にはできるだけ好条件の購入者の紹介や農産物のブランド化、購入者会員にはブランド農産物の紹介や、店舗内での販売戦略の提案をやっている。例えば、あるスーパーで玉ネギを葉付きのままで販売した。玉ネギの産地では葉っぱはごく当たり前に食卓に並ぶ。そうしたレシピを一緒に消費者に提案したらあっという間に完売した。生産者と購入者が直接結び付かないと思いつかない事例だ。JAは前述したことを消費者に提案できる術は持っているが充分に活用できていない。そうした術をどうやって使うかを考え事業に反映させることが重要だ。
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「あぐりぷらっと」アドレス http://www.e-agri.co.jp/ |
にじ支部 佐藤 賢二 氏
にじ農協では果樹地域だ。主な農産物は柿やトマト、花などがある。柿が約20億円、トマトが約10億円の販売高で、年間で約70億円の販売高がある。正組合員数が約7000名、準組合員数が3000名である。職員数は175名、パートを含めると総勢348名で回している農協だ。農産物販売方法として直売所を約5億円かけて創り、力をいれている。
そのなかで私は外商係りとして、にじ農協産の農産物をスーパーなどにおいてもらえるよう、一生懸命がんばっているところである。やはり、地産地消が大切だ。
福岡八女支部 松尾 一男 氏
八女農協では組合員数が約26000名おり、2004年の販売高は約300億円であった。そのうち1割をスーパーなど直接販売に持っていこうと、東京に事務所をおいて営業をした。が、なかなか受け入れてもらえず苦労した。そこで全農に生協を紹介してもらい、その生協を中心に販売が始まった。企業努力として、パッケージセンターを設立し、業界に応じてパッケージを変える方法をとっている。直販は価格が高いと思われがちだが、価格変動に左右されないよう、常に安定した価格で販売している。今では、生協・量販店・ギフト用(贈答品)として販売している。道の駅などには農協から購入して販売して出来るだけ競争をなくしている。学校給食にも販売し、地産地消に心がけている。今からは海外販売に目をむけている。
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四月九日、トリアス久山にて「地域農産物ふれあい市場」を開催しました。この取り組みは、各JAで収獲された農産物を各支部が持ち寄り、一人でも多くの消費者に県産農産物およびJAをアピールするために開催しており、今回で三回目を数えます。当日は天候にも恵まれて多くの消費者の方に来場していただき、参加者一同、元気一杯に農産物およびJAをアピールしました。また、開催中にはコメのすくい取りやビンゴ、ダーツ等のゲーム大会を実施。ゲームには子どもたちが詰め掛け、たくさんの笑顔を見ることができ、充実した取り組みとなりました。
なお、会場にはBSE問題に関する牛肉全頭検査緩和に反対する署名のコーナーを設置。100名を超える来場者の方に署名をしていだたきました。また、今回の取り組みの収益の一部、五万七六八三円を「福岡県西方沖地震」の義援金へ募金することとします。
来場者から寄せられたご意見
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サラリーマン家庭にJAは関係ないと思ってたけど、スーパーでよく見る名前のJAの方とお話しました。結構、身近なんですね。 (粕屋郡 30代女性)
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幼い子どもを抱える我が家は価格が高くても、やっぱり安心できる国産(特に地元産)を選んでいます・・・もっと安いと良いケド。 (福岡市 20代女性)
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イチゴ、おいしかったです。がんばってください。 (直方市 7歳女の子)
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最近、Uターンして農業を始めました。JAにはもっと色々なことに頑張っていただきたいです。 (朝倉郡 40代男性)
ふれあい市を通して感じたこと
県本部青年部長 安丸和久(みい支部)
「消費者とじかにふれあう」。日常の業務ではなかなかできない経験でした。この経験を疎かにして、農業再建はもとより、地域に求められるJAへの改革は絶対に成り立たないと感じました。我々は「何」を求められ、そのために「何」しなければならないか。今回の取り組みには、この2つの「何」が明らかになるヒントがあったと思います。そのヒントをどう感じ、どう行動していくのかはこれからの我々自身にかかっています。ともにガンバロウ。参加してくれた各支部のみなさん、本当にお疲れ様でした。
西方沖地震への募金と全頭検査継続・拙速な輸入解禁反対署名
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三月一二日、明治安田生命ホール(福岡市)にて『どうなる!どうする!「農協」――シンポジウム』を開催、県内の労組員はもとより、農家組合員の総勢四六三名が参加しました。これは毎年3月に開催してきた「再建!総決起大会」を発展的に見直したもので、農家組合員も交えて「農業と農協のこれから」を議論することを目的に全体テーマを「農協の現状とその課題克服のために」として開催しました。
集会は、冒頭の本部大谷委員長の主催者あいさつで開会し、その後九大大学院の甲斐諭教授による特別講演(問題提起)を受け、その後「農業と職場の現状報告」として農家組合員および各系統組織の3名から報告をおこなっていただきました。午後からは、パネルディスカッション形式での公開討論会として、コーディネーターを農学博士の平岡豊(しげる)氏に、パネリストを経営者代表でJA福岡中央会の安河内毅専務、労組代表でJA福岡八女職員の山科隆樹氏、農家組合員代表でJA筑前あさくら管内の山下恵氏とJAたがわ理事の永冨千里氏(女性)、そして助言者として甲斐教授に依頼し開催しました。討論では各パネリストから発展的な発言、また会場の参加者からも多数の発言があり、内容の濃い討論会となりました(2面討論要旨掲載)。
〜甲斐教授要旨〜
周知のとおり農業と農協を取り巻く情勢は危機的状況にあるといっても過言ではない。しかし、どこがどのように危機的であるのか、いま一度確認し、それを克服していくことが重要だ。これからその3つの危機とそれに対抗する3つの機能強化についてお話させていただきたい。
第一の危機は各家庭の台所のアウトソーシングが進んでいること。料理を作るというよりは料理を買ってくる時代になってきている。第2は農業を取り巻く国際情勢です。特に農業交渉以降の中国・韓国の対日輸出増加は激しく、脅威となっている。3つ目は国内生産低下と共販体制の弱体化だ。特にこの3番目の作る側の問題については農協に直結する事項なのだ。これに密接に関係してくるのが国としての方針で、3月11日に農水省から出された農業基本方針では、@認定農業者強化 A集落営農強化 B農業法人化強化 が中心となっている。この方針が推し進められ、JAが今のままの状態であれば、間違いなく組合員は減少し、国内農業は衰退していくことになる。言い換えれば、農業を中心的におこなうこれからを担う農家はJAから離れ、高齢化や小規模のやっている農家のみがJAに残って、JAの存在意義が希薄化していくことになるだけだろう。
この状況を打開し、JAが今後も地域で生き残るためには、先ずこれまでの共販一本の体制を見直すことだ。JAの直販・直売所のあり方を見直すことが必要である。社会が、情勢が、何を求めているのかを考えれば、直売というものの意義と必要性が分かるのではないか。もうひとつ、これが最も重要であると考えているが、JAで働く役職員の意識改革。つまり、自助努力と挑戦をおこなうということだ。これまでのぬるま湯体制の一掃、国や行政などの上を見るのではなく、現場の農家・利用者や消費者を見る事業・組織体制の構築と実践が不可欠だ。
いま一度、農家は何を求めているのか?大まかではなく、大規模農家のニーズは、小規模家族的農家のニーズは、を適確に捉え、それぞれに迅速に対応できる「JA」となることが必要です。方策が全く無く、八方ふさがりではない。
今こそ、農家と利用者と消費者を確りと見て、自分自身の自己革新を実践し、事業組織展開をおこなうことが最重要、且つ急務なのだ。みなさんの更なる決起と挑戦を期待する。
〜パネルディスカッション〜
参加メンバー
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コーディネーター |
平岡 豊 氏 |
マーケティングプロデューサー・農学博士 |
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パネリスト |
安河内
毅 氏 |
JA福岡県中央会
専務理事 |
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山科
隆樹 氏 |
JA福岡八女
職員(労組役員) |
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山下 恵
氏 |
JA筑前あさくら管内
農家組合員 |
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永冨
千里 氏 |
JAたがわ管内
農家組合員(JA理事) |
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助 言 者 |
甲斐 諭 氏 |
九州大学大学院
教授 |
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全体座長 |
重松
紀男 氏 |
県連労組
執行委員長 |
座長を務める県連労組委員長の重松です。先ず、はじめに本日のシンポジウムのテーマについてだが、午前中の甲斐教授の話にあったように「農協の現状とその課題克服のために」と言うことで、今の農協の経営や事業、または組織運営などに何が不足しているのか。更には、ここをこうすべきだ。改革に不足しているもの、等々、それぞれの立場から屈託ない意見を出していただき、学習させていただきたい。
そのパネリストとして、本日は4名の方々においでいただいた。先ず、経営者の立場として、JA福岡中央会の安河内(やすこうち)専務。次に、職員の立場さらには労組の立場として福岡八女農協の山科(やましな)氏。そして、生産者の立場として山下恵(やました)氏、筑前あさくら農協管内で柿などの生産に携わっておられる。もうひとかたは、永冨(ながとみ)氏、田川農協管内でミニトマトなどの生産に携わっておられる。なお、現在は田川農協の理事でも活躍されておられる。最後に本日のシンポジウムの総合司会としまして、農学博士でマーケティングプロデューサーの平岡先生にお願いしている。
また、急遽だが、午前中に特別講演をしていただいた甲斐教授にも助言者というかたちで、参加をしていただくこととなった。それでは、平岡先生、お願いします。
平岡
氏
ご紹介いただいた平岡です。私は、広告会社の博報堂でマーケティングの仕事をしてきた。その時にふくれんの博多とよのかや当時の朝倉農協の博多万能ネギに関わってきた。その関係で非常に農業に興味を持ち、農業は農産物を生産し、商品として扱う。ならば、もっともっと販売に力を入れて、売らなければいけないと考えている。さっきから農学博士と言われ、これは甲斐教授からいただいたもので、汗が出る思いだ。しかし、広告に携わり、農業の勉強をしているということで、今回のお許しをいただきたい。
今回は、非常にユニークな構成になっており、女性、男性、労組、経営と様々だ。これで修羅場になったらどうしようと思っているが、午前中も生産者や職員から、とても良い話があった。また、甲斐教授からは大きな課題が投げかけられ、農協の現状とその課題克服のために何をやるべきか、21世紀の農協のあり方を考えていきたい。流れのなかでは当然、会場のみなさんからのご意見もお聞きする。是非、発言していただきたい。また、今日は専務等の肩書きははずして「さん」付けで呼ばせていただく。しかし、私は3年間、甲斐さんを「先生」と呼んでいたので、クセが出ると思うが、ご了承いただきたい。なるだけ努力したい。
では、早速、始めよう。順序として通常は基調提言として7分ほどお一人おひとりに話をしていただく。では、レディファーストとして女性から始めていきたい。たがわ管内でミニトマトを作っておられる永冨さん、トップバッターで大変だろうが、忌憚なくお願いしたい。
永冨
氏
JAたがわ管内の金田町の永冨です。金田町で水耕栽培でミニトマトを家族でやっている。私の役割りは販売で、パック詰めをし、個別に注文を受け、配達をやっている。また、朝市や直売所にも出している。家庭では主婦でもあり、3児の母でもある。頑張ってやっている。
ミニトマトを作っているが、JAのみの出荷ではムリだ。朝市、直売所に出して、売れるミニトマト、美味しいミニトマトを作ることにやりがいを感じてやっている。また、女性農村アドバイザーとして、専業農家の女性で35歳以上の方で、小学校で豆腐づくりを教えている。あとは、児童主任委員等もやっており、児童虐待の防止に努めている。まだまだ、自分で納得できる活動ではないが、これからも頑張りたい。あと、金田町では女性消防隊を結成しており、独居老人宅等の防火もやっている。
JA関連では理事もやっている。実際には理事として何がやれるのか、何をやっていいのかがハッキリしておらず、模索している段階だ。しかし、女性の声を何とか運営に反映させたい。また、ミニトマト等の農産物の出荷流通を改善すべきと思っている。よろしくお願いします。
平岡
氏
最後に、JAに対する指摘があったが、これは大変重要だ。JAだけではダメで、自分たちで売っている。流通の部分を何とかしてほしいということだった。その何とかという部分があるだろうか。女性の目で見た部分とかだが・・・。
永冨
氏
先ほどあったJA間でのやりとりです。
平岡
氏
市場に一直線ではなく、JAの連携ということだろうか。
永冨
氏
そのとおりです。
平岡
氏
あとで、女性理事としての視点についてもお伺いしたい。良いこと、悪いこと、何でも良いのでお願いしたい。次に山下さん、お願いしたい。最初、お名前が優しいので、女性かと思った。柿を作っているとのことで、販売方法や営農指導について色々あると思うので、よろしくお願いしたい。
山下
氏
JA筑前あさくら管内の杷木町で農家をやっている山下です。家族で柿を作っている。3年前には収穫時期に台風で半数が被害を受けた。昨年も台風だ。大変厳しい。営農センターで農薬・肥料を買うわけだが、他企業は非常に安い。そうしたところから誘いがある。うちの地域はそうしたところから買っているところが多い。営農センターも厳しいだろう。JAも負けない努力をしてほしい。企業にも営農指導員がいて、適確な指導をやってくれる。組合員が利用したくなるよう頑張ってほしい。
平岡
氏
柿農家に伺った話だが、出荷を依頼すると台風等のときは、市場価格で左右される。しかし、自分で販売をする人は、価格が安いときでも前年度の価格で買ってもらえたとのことだった。「一体、何で?」と聞いたら、顧客全員に電話を掛けて、事情を説明したとのことだった。「キズものだが、味には関係ない。また天候は良かったので、前年より美味いものになった。見た目は悪いが、自信あるので、前年の価格で買ってもらえないだろうか」と説明したら、全員、買ってくれたそうだ。その部分が市場出荷との大きな違いなのかなと考えるが、後で会場のみなさんのご意見を伺いたい。
お話のなかでの大きなテーマは営農指導をきっちりやってほしいということと、肥料等の価格のことだ。これは農家の方の切なる要望だろう。JA職員のみなさんも肌身で感じていることだろうが、そうした指摘だ。次は山科さん、お願いしたい。
山科
氏
JA福岡八女で支所の金融共済リーダーをやっている山科だ。今日は朝から大変素晴らしいご意見をいただき、JA職員として引き締まる思いだ。私もJAに入って13年だが、私のJAも合併問題に直面し、支所から指導員が引き上げられ、本部一括となった。そのときに渉外をやっていて農家に行ったとき、「家に来るのはあんたらぐらい。しかし、農業のこと分からないだろう」と寂しいことを言われた。その言葉で非常に悔しい思いをした。
私自身、実家は農家だが、正直、働くまでJAのことは知らなかった。分からないまま、渉外になって、とにかく「農家組合員のため」とやったつもりだが、実際は現実は全然そんなことない。反対に農家からは「あんたらしかいないんだ」と言われる。やっぱり営農を知っておかなければと感じる。
平岡
氏
顔は出すが、知恵が出ないということかな?
山科
氏
知恵どころか知識が無い。実家はコメとお茶を作っているが、お茶を摘む時期ぐらいしか分からず、肥料や農薬がサッパリで、「時期が・・・」程度の話しかできない。非常に恥ずかしい思いをした。
今のJAの状況は、営農指導に立ち返らねばならないという方針だが、福岡八女では支所の再編がある。この再編でまた遠のくのかなと不安があるのと同時に、そのときに営農指導をどう強化してもらえるか。その強化によってはまた農家が戻ってくれるかもしれない。そうした部分をJA側はどう考えているのか。我々はその方針に従わざるを得ない。だから前向きに、農家にJAの方を見てもらうかを考えなければならない。なかなか日頃の業務に追われて、少しの取り組みにしか過ぎないがみんなと一緒に考えたいと思い、今日、参加している。少しでも多くを学んで帰りたい。
平岡
氏
結構、総論的な話であったが、また、後で発言願いたい。
重要な指摘があった。渉外で顔は出すが知識が無い。甲斐さんからあった機能の部分だ。渉外とは相手が喜ぶ情報が不可欠だ。最近のJAは御用聞きも無いと怒っている農家もいる。
いま、3名から色々な話があって、これは全国レベルでもそうだが、県レベルでも色々な問題が含まれると思う。そうしたことを踏まえ、安河内さんからお願いしたい。
安河内
氏
ここに座ると、経営者代表が私一人しかいない。中央会の部長連中を連れてきて、後ろに座ってもらえば良かったと思っている。
午前中の甲斐教授の話を聞かせていただき、感じる部分が多々あった。色々、話をしたいとは思うが、立場上言えないこともあるかもしれない。ご了承願いたい。
平岡
氏
こういうシンポジウムは、個人的な意見を述べていただければと思う。
安河内
氏
今日のテーマに沿って、全国的な課題をまとめたい。
ひとつは国際化。今年の12月には香港で閣僚会議、市場アクセスの部分の協議だ。これは私の予測だが、自由化は更に進むだろう。それはなぜかと言えば、マスコミ等でアジア開発銀行の発表があった。いま、アジアでは32億人の人口があり、1日2$未満の生活者が19億人いる。そして1日1$未満が6億8800万人にものぼる。これを世界に広げれば、1日2$以下のひとは30億人。1日1$以下は13億人いる。3年前、WTO交渉の際に農業団体の支援で各国の方とお会いした。その時に「日本は自由化の恩恵を一番受けている。更に自由化してほしい。だって、日本はお金持ちだ。農家がスーツを着て、乗用車に乗っている」という考え方だ。現在150カ国のWTO加盟国がある。その内、年収が1,000$以上は40カ国あまりだ。そんな状態で農業の話をしなければならないので、日本の農家にとっては大変厳しい状況だ。自由化も仕方ないのか、という気がしてしまう。しかし、日本農業を守っておかなければ大変なことにもなる。
国内的には、現在、食料・農業基本法の見直しがされている。水田農業の担い手に政策的にも特化していこうという内容だが、但し、自由化を限定すれば、大規模農家の育成だとか、法人化は避けられないということだ。ただ、この規模が一番問題になる。個別経営で5〜7町とかの規模だ。集落経営になると、20〜30町の規模になっている。日本のなかで、どういう地域でどういう農業が展開できるのかが大きな課題になると考えるので、我々が考える集落営農ではきびしくなるのではないか。
現在、そうした結論が出されて政策となるのだろうが、私が心配するのは日本の農業の将来像が描ききれないのではないか。これで国民からの合意が取れるかということ。自給率が40%を切っているがこれがどうなっていくのか。色んな政策が打ち出されるが、結局はそうなっていくのではないだろうか。
それと最後に、農協の現状だ。職員のみなさんは分かっていると思うが、私は3つのことを心配している。減少する農家組合員だ。いまドンドン農家は減っている。平成10年ぐらいは27万人だったが、15年には26万7千人だ。3千人も減っている。そしてその中身は高齢化。年代別でも60代が20数%、70代も20%台だ。合計で45%ぐらいある。農家組合員の半分は60歳代以上だということだ。サラリーマンならば退職するような年齢が、JAでは主力となっている。そして、正組合員と准組合員があるわけだが、以前は6:4の比率だったが、今では5:5に推移している。減ってるうえに高齢化なのだ。
そして、事業利益の減少。福岡県は平成元年で87億円の利益があった。平成15年は42億円だ。半分以下だ。全国的にも3929億円が1389億円に減少した。3分の1だ。自画自賛するわけではないが福岡は頑張っている方だ。なぜ、これだけ減少したなかで経営ができるのかということだが、これはリストラだ。リストラで成り立っている。労組としてもこのリストラの功罪はあるとは思う。ここでみなさんに考えてほしいのは、JA間格差があるということだ。更に県間格差も広がっている。これが歴然としている。
最後に不祥事だ。これが多い。全国的に見れば、毎日どこかで不祥事が起こっている。なぜ防げないのか、これが大きな課題だ。減少する農家組合員と事業利益。JA間の格差は広がり、職員のモラルの部分にも問題が起こっている。
そして、ご指摘を受けた件で反論をするわけではないが、JAは協同組合なのだということ。この運動を農家組合員のために進めている。しかし、その中身を見ると、合併、規模の拡大とドンドン、農家とJAの距離が離れている。「なら合併するな」ということになるかも知れないが、どうしても資本効率というものは求めなければならない。合併して規模拡大していくのはやむを得ないと考えている。
そこで意思決定をする理事会と組合員の距離を縮めるための方策をどうやるのかということ。いまのJAの理事は地区の代表者なのだ。JAの拡大は農家の多様化が進むということ。大きな農家、午前中、ミカン農家から発言があったが、ミカン農家は少数なのだ。イチゴ農家も少数。全てが少数だ。合併が進むほど、農家は少数化していく。そこのニーズを汲み取るのは非常に難しくなる。どの作物も少数になる。そうなると意思を決定するところが地区代表。組合員は多様化。そこに整合性を取るためには、意識決定の複線化を図るということしかないようだ。経営管理委員会だとかそういったものだ。今日は労組主催であるのでみなさんにお願いしたいのは、トップダウンとボトムアップは両輪だ。トップだけでもダメだし、ボトムのみでもダメだ。その意味でも職員の、労組の意見は大変重要だと思っている。みなさんが勉強したことを職場に持ち帰り、意思決定の場に持ち込むかが重要だと思っている。
平岡
氏
有り難うございます。4名の方から自己紹介も兼ねて、発言していただいた。これからは討論で進めていきたい。もちろん、会場からの意見もお願いしたい。
いま、安河内さんからJAの現状と問題点を指摘していただいた。農家の減少や高齢化、理事会のあり方等、理事が地区代表、ある意味、古典的だ。大きな流れとして事業利益の減少等、大きな問題だ。存在価値が薄くなっているということだろう。しかしそれでは困る。だからどうするというのが重要になるのだろう。
いまのみなさんの発言で補足したい部分があればお願いしたい。・・・永冨さん、理事会のお話があったが、地区代表だろうか?
永冨
氏
女性部代表です。
平岡
氏
女性の目から見て、理事会のあり方とか、気が付いた点、おかしいなと感じた点などがあればお願いしたい。
永冨
氏
おかしい点というのは思わないが、まだまだ女性の声が届かない。具体的説明が難しいが、会場に行っても男性ばかり。女性部の枠が2名であるため、まだまだだ。私が入った当初は、36歳だったが、もう一人は72歳、ちょうど倍だった。あまりにも年齢差があって、変なところで話題になった。男性理事からもそういった目で見られているのかなと感じた。影で「若い」と言われているということも耳にした。
平岡
氏
「いっちょ前に・・・」という感じだろうか?
永冨
氏
そういう感じです。「若いでもやれる」という気持ちで、今もいるが・・・。
平岡
氏
有り難うございます。山下さんはどうだろうか?安河内さんに意見等があれば・・・。
山下
氏
勉強不足で申し訳ないが・・・。
平岡
氏
現場監督が一番強い。大丈夫だ。
山下
氏
柿を作って柿部会に出荷しているが、手数料も結構掛かる。仕方ない部分だとは思うが・・・。良い品物は高く売れるので手数料も大変ではないが、下級品は値段が上がらず、経費を引いたら残らない。下級品の扱いをどうにかしてほしい。下級品は直売所で売るといった販売を考えてほしい。
平岡
氏
先ほど、永冨さんも言われた、売り方の固定化ということか。モノによって売り方を考えたほうが良いのでは?ということだ。さっきの農家の距離が遠くなるという部分に大きく影響しているのではないか。JAの組織論と農家のニーズにどうやって応えるかという部分だと思う。
これはどうだろうか?ふくれんさんか、筑前あさくらさんの方でそれはもっともだとか、今後はJAもこうした売り方をしないと農家から見捨てられるのではといった意見でも良いのだが・・・。会場の方、どうぞ。特にふくれんさんと筑前あさくらさんにお願いしたい。分からないこともあるだろうが、そういうのを含めて議論する場だ。よろしくお願いしたい。
大山
氏(筑前あさくら)
筑前あさくらの大山です。いま、トヨタ自動車の研究を労組でやっている。そのなかで、現場力を鍛えなおせということがある。JA職員が一体どこ向いて仕事をするのかということだ。山下さんともお話しさせていただいたときに、職員が来ないというご指摘をいただいた。安河内さんのボトムアップも必要と思うし、今は誰かの責務に任せる時代ではないのだ。全員に責任があるし、覚悟がいる時代と思う。
私は甘木市に住んでいるが、先日ジャスコに行った。そこで「お客さまの声」の掲示板に書き込みをおこなっていたので見にいった。その回答が素晴らしく、一人ひとりに受け答えをしている。すぐにできることはすぐに対応し、できなくても改善に向けてやっていくとの内容が書かれている。これまであんまり気にも留めなかったが、最近では参考にしている。言いたいことは、我々職員は農家のためのJAなのだから農家のところに足を運び、農家がやりたいことをやりたいように支援することだと思う。よく「べき論」が出てくるが、私はそうすることのほうが農家のためになるのではないかと思っている。なぜそこに気付かなかったのかというと・・・。
平岡
氏
そうだ、そこが問題だ。そしてその対応策をどうするかだ。
大山
氏
先ほどの現場力だ。それに共通するところもあるが、我々が日常考えることが伝わる体制ができていない。組織が大きくなると、スケールデメリットが発生している。なかなか現場の声が聞こえない。現場の声を聞く努力をしない。これが横行しているようだ。答えは全て現場にあり、そして農家組合員が持っていると感じる。そうした声に耳を傾注し、仕事に励まねばならない。やれることはただひとつ。我々が現場に出向くこと。
平岡
氏
現場に出向くということはそれだけのスタッフ、ある面では安河内さんのリストラでの効率化、支所の再編、人員削減、その反面では現場に出向く。これも年に1回では意味が無いので、頻度数を上げなきゃいけない。明らかに対立する考え方でどうやるのかが重要だ。これがトップダウンとボトムアップの掛け算の部分だ。何か良い意見があれば会場にも後で伺いたい。
色々なテーマが出た。トヨタの話も出たが、ある意味でトヨタはJAよりも楽だろう。株式会社が取締役会で決定し、自分で作ったものを自分のチャネルで販売している。価格も自分で設定している。みなさんの組織のほうが運営難易度では遥かに高いと感じる。そうした部分を踏まえて甲斐さん、ご意見がないだろうか?
甲斐
教授
いまの筑前あさくらさんの良い意見を伺ったが、さっきも韓国のお話しをさせていただいたが、韓国から見ると日本はすごいということだったが、私の考えとして農家の意見を集約し、事務所に集めて部課長含めて、みんなで協議したらどうか。みんなで良い方法を模索するのだ。システマティックに情報を集めて、情報の非対称性というが、コッチの情報とコッチの情報がバラバラ。これではいけない。情報の非対称性を無くすようなシステムづくりが必要だ。ニーズをキャッチし、それを検討して返す。これだろう。強い量販店ではこれが徹底されているようだ。
そして、ここに「食料・農業・農村基本計画」の案があるが、このなかに団体の再編整備について記述がある。農協や共済組合等、色々あるが、特に担い手、認定農家だ。担い手のための効率的な施策や利便性向上のための役員から現場の職員までの意識改革、担い手育成支援窓口の一元化や共同事務局を促進すると書かれてある。地域のニーズに応じ、農協、森林組合、漁協の共同事業の実施の検討もある。もう農協だとか、農業委員会だとか言ってられないということだ。この組織も何とか一元化して、共同事務職を作れと言っている。これは10年後を目指してやるということだ。そのぐらい、合併もやむを得ないということで、それはそのとおりどころか、それさえも通り越している。もう団体間の連携を図ると言っている。いずれにしての農業の担い手は誰か。そしてその担い手を育成するためにどうしたらいいのか。担い手が持っているニーズは何か。ニーズをキャッチし、そして返す。それが重要だ。
平岡
氏
有り難うございます。やはり現場感覚での農家対応が不可欠であるし、その現場で職員が問題を感じるようにならねばならない。職員のレベルアップをどうやっていくのかが重要だ。意欲や洞察力の強化だ。これが欠けたまま、組織が大きくなっても意味がない。安河内さん、どうだろうか?組織のレベルアップの話であったが、他県のJAでは農家からの農産物価格の向上を強く要望されているそうで、そのJAでは食品関係の商社の人間をスカウトしたそうだ。その結果、もの凄く上手くいったとのことだった。良い結果に結び付き、その関係者はゆっくりになっていたが、実際、そうしたことがあるのだ。そうしたことを含めて何か話がないだろうか。
安河内
氏
始めに申したように、理事会の部分に温度差があり、情報が集まってこない。そこに情報を集めるのが重要課題だ。お互いに無関心が横行しているようだ。こうしたことを打開するためにもコーポレートガバナンスをキッチリやる。そしてそれを支える職員の意識を変える。意識の共有化だ。大きくなればなるほど、そこの職員の意識の向上が欠かせない。組合員も含め、職員の教育が重要だ。
こうしたことを言うと、成果主義なんかの職員の締め付けしか中央会はやらないのではないかと言われそうだが、そんなことはなくて、職員の評価の部分をキチンとやりたい。
平岡
氏
職員研修の話だが、どこの企業も一生懸命にやっていることだ。JAでの難しさは、知識の部分もそうだが、農家からの農産物の適正な販売の要望が強い。そこで商社から連れてきたら良くなった。どうしたらいいのか分からないといった営農部長もいた。そうした部分に特化したものをどうしたらいいのか、甲斐さん、ご意見ないだろうか?夢の部分でも良いのだが・・・。
甲斐
教授
毎日、学生を見ており、JAにも今お世話になっているものもいるが、あるものはJAに入ったら、兵庫のコメ屋に1年間研修を受けていた。そこから戻れば、コメ担当だ。とりあえず、海のなかに放り込み、そのなかで泳がせる。そうした教育をやっている。ふくれんはどうか知らないが、現場感覚を身に付ける。
そして、福岡県の農産物を県内の業者や居酒屋に売り込んでいる。どう繋げるかだと思う。ある居酒屋チェーンのバイヤーは30歳ぐらいで、すごい積極的だ。こうした人をJAの研修に講師に呼べばいいのにと感じた。彼は宮崎県のJAから離れたグループとくっついて、宮崎産の農産物をその店で扱っている。
JAはやれることをやっていない。福岡市は周辺の県の草刈場の状態だ。メロンドームの出店なんか良い例だろう。デパートの岩田屋の人から聞いたが、福岡の人は一回断られたら、もう来ない。しかし、佐賀県なんかは断られるまで何度でも来る。福岡の県民性かもしれないが、確かにどこでも売れるということもあるかもしれない。人口の面で恵まれているから。人口の少ない県では売ることにとても執着している。そうした部分が大きな違いだ。教育システムの違いかもしれない。
平岡
氏
マーケットの勉強を組織的になるというのもすごく重要なのだろうか?
甲斐
教授
今日の集会にJAの組合長なんかが来なければいけない。幹部が来て勉強しなければ、いくら良い発言をしても職場で実行されなければ意味がない。JAは大きな象だ。動きが鈍い。しかし、動き出したらドンドンだ。暴走する。そんな組織だ。
平岡
氏
スマトラ地震の際に予知能力で人間を助けたそうだ。JAもソッチにいけばいいのだが・・・。
私は広告会社の出身で考えるのだが、JAはマーケティングの研修をやらない。これではこれからはムリだ。これはどうだろう?
甲斐
教授
私は1年に2回程度、営農企画士の研修で吉木の研修所に行く。いろいろ見ているが、このままでは勝てない。負けっぱなしだ。勉強することだ。夜にテレビ見て、酒飲むばっかりではダメだ。
平岡
氏
では、酒ばっかりの山科さんにお願いしたい。
甲斐
教授
これは感想だ。頑張っていただきたい。私のところには夜中に農水省からFAXが入る。夜中の12時だ。12時まで彼らは仕事やっている。小さいことも言うが、彼らは朝から晩まで仕事をやっている。それぐらい、他所は努力しているということだ。
平岡
氏
山科さん、ちょっとヤバイね。では、ご意見でどうした勉強やりたいとかあったらお願いしたい。農家の期待に応えるためにはどういったトレーニングとか、勉強とか、知識を向上させるために、組織的にどうしたら良いか。意見をお願いしたい。これはJAの存亡に関わる「ひと」の部分だ。
山科
氏
アルコール漬けの頭で考えたことをちょっとだけ。
労組として、いま言われた流れだ。意見を集約する流れを前年から取り組んでいる。職員が農家に一番行っているのだから、ニーズを一番掴んでいるハズなのだが、それを吸い上げる方法が分からなかったことと、あと、係長、支所長にならないと分からなかった部分、昔のような封建的な会社組織の流れがあったかもしれない。言いたいことを言えば良いのだろうが、みんながそんな考えではなかったので、労組としては直接、JA側と交渉できる労組から経営のことを言おうか。ただ、それは労組役員ではなく、現場からの意見を労使協議会のなかで言い合って、そしてそれを事業として乗せる。そうしたことができればと考え、スタートしている。我々職員も受けるばっかりではなく、経営に乗っかって舵を取って頑張らねばならない。
平岡
氏
非常に面白い意見だ。私は気が付いたのだが、JAは「かたち」をよく作る。部会なんかだ。これは結構簡単にできる。問題はそこで何を話すかなのだ。或いは5年、10年先に何が起こるのか。組織としての予知能力を問われると思う。それを掴んだのが、ソニーが、10年前に天下のソニーと呼ばれていたのが、今では考えられないような状況だ。農業の場合は自然にダウンしている。ソニーのような突如、低下がくるような業界ではないのだから、みんな安心しているのだろうが、昭和30年代からコメの消費は下がり続けているのに、極端に言えば、どこにも責任がない。産業界からはとても不思議がられる。
「かたち」は必要だ。そのなかで話し合われる内容のレベルを維持する方策があれば、安河内さんお願いしたい。いや、ボトムアップで生産者の方からが良いか。職員がこうだったら嬉しいなでも良いので、永冨さんから。
永冨
氏
JAに求めることとしては、スーパーでは売れる商品、売れない商品をどうしても比較する。自分たちが作っている商品、本当言えば、自分で買って食べてみて、味を確かめなければいけないのだけれども、そこまではなかなかいかないが、チェックは必ずやっている。
平岡
氏
ということは、スーパーの売り場をうろつくだけでも良いのではないか?さっき甲斐さんが言っていた、鹿児島に北海道産があるというのは、帳面を見ても分からない。スーパーの売り場で分かることだ。
永冨
氏
スーパーでは同じ農産物でも何種類もある。値段も違う。消費者が自分で目で見て買う。そこにどうJAが関わるかだと思う。
平岡
氏
なるほど、現場力ということになる。
甲斐
教授
いまの発言、そして経験で言うが、JA職員のクセかもしれないが、担当者が量販店を回って、売り場がどうかを見ることだ。中卸しのひとと酒を飲むだけでは情報はない。いろいろなシステム構築に取り組んで、良い取り組みには専務賞でも作って表彰しても良いのではないか。
平岡
氏
共済とか、販売の表彰ではなく、システムの表彰で意欲付けをする。モチベーションを高めるということだ。山科さんどうだろうか?
山科
氏
真っ先に提案する。福岡八女はイチゴのあまおうをやっているが、味を知ってもらっていないところもある。そこにどうやって喰い込むか。その企画をみんなでやってみたら、なんか面白いのがひとつやふたつ出てくる。そうしたことをやりたいし、そのための意識付けをやっている。ただ、その時に即座に対応できない我々も問題であるし、それをあげたときにJA側がどう受け取るのか。良いものをあげても「何じゃ、そりゃ?」ではどうしようもないところがある。
平岡
氏
基本的にJAはタマは他所に投げるところがあるから・・・。では、受けていただいて。
安河内
氏
宿題が沢山になってきたが、さっきから指導の強化とか、販売の強化だ。JAはゆっくりしすぎとの指摘だが、立場的にはJAは総合事業だ。JAのなかを見るとメジャーは金融事業だ。指導販売はマイナーな部分がある。主力は営農だ、生活だ、と言われるが、実態は、ポストの数を数えてもらえば分かるが、金融が一番多い。20年前、経営課長をやっているときにJAの理事がやってきて、当時は課長でも先生と呼ばれていたが「安河内先生、ウチの隣のJA職員は未だに支所長にならない。能力が無いのか」と言われた。話を聞けば、その職員はずっと経済事業に携わっていた。ポストがやはり無いのだ。小さいところでは5人ぐらいの指導員でそこに部課長1名ずつだ。それで固まる。ずっと営農でやってきて、いきなり金融支所長だと言っても、本人が戸惑うだけなのだ。ガタガタになる可能性が高い。経営者側で言えば、いい時期になればそれなりのポストに就けたい。やはり頑張ってほしい。なぜ合併かというと、そうした部分をメジャーにしたいので、大きくなればポストも増えるので、という側面もある。合併を進め、営農部分を強化したいということ。これにはやはり規模だ。小さいと限界がある。あと、表彰は持ち帰って検討課題にしたい。
そして、理事会の意思決定の複線化と職員の処遇の複線化も併せて進めていきたい。「生涯、一営農指導員」も良いとは思うが、そうした方にもある程度の処遇をしたい。使い捨てではいけないと思う。
平岡
氏
なかなかシリアスな話だ。定年したものから見れば面白い。今日のテーマのひとつにもなるかもしれない。
甲斐さんは九大の大学院の教授だが、あれは講座制なのだろうか。基本的に教授1名、助教授1名、あと助手が云々だ。それで固まっている。いまの安河内さんの話によく似ている。しかし、私立では講座制ではないため、40歳ぐらいで力がつけば教授になる。国立では講座制で固まる。その部分で営農指導員だが大学で言う教授だとか、そんな考え方が出てくるだろう。職位とやっている仕事、総合職と専門職の考え方ということ。JAは準公的機関の組織づくりがされているので、総合職、専門職が強く出る。これからは総合専門職という新しい考え方が出てくるかもしれない。組織が無いと部長を置けないという考え方と部長を何人置いてもいいという考え方。私立学校は教授が何人いてもいいだろうの考え方だから・・・。
安河内
氏
いま、JAも2つの肩書きを持っている。能力で審査役とかだ、あとはラインで部長、課長を置いている。JA職員のほうが「部長待遇の審査役で結構だ」、ただハッキリしているのがその人には命令権がない。ただ仕事するだけ。部下を持ちたいと思うと上手くいかなくなる。
平岡
氏
商社はそこで部下を連れてくるから。「今度の仕事にはお前が入れ」というのが普通で、仕事のときは部下がいて、終われば解散するという構図だ。JAでは困難なのだろうか。農家の方のご意見をどうやって汲み取るか。この問題の顕在化だ。
では、ここで主催者の見解を教えていただきたい。
大谷
委員長
労組は職員なのだが、これだけ不景気だと人間は保守的、守りに入ってくる。いまいけないのは、保守的になりすぎたこと。その結果、洞察力がない。午前中に生産者からあったJA間提携だとか、こうした意見はアンケートでは出てくる。しかし不景気で守りに入る。もしかしてクビになる。飛ばされる。中央会にお願いしたいのは、いまの状況の分析だ。そういう面での指導が必要だ。トップダウンだけではなく、ボトムアップも必要だと指摘があるが、それは当然だ。いまの悪いところはどこもトップがカリスマになりすぎたところ。そういう企業は淘汰されている。JAも例外ではない。福岡には無いが・・・。いまは過去の総括が必要と考える。なんでこうなったのか。そうした総括をしないと、規模が大きくなるだけではダメではないか。あまり、部長に、課長に、と拘るひとはアンケートではいない。JAが生き残れるかどうかが、いま最大の問題と感じている。本当のJA改革が求められている。
規模を大きくしてやるのも必要だが、合併を追い求めるだけではなく、協同間提携をもっとやれないのか。JAにじには耳納の里ができた。6~7億円掛かっている。素人考えだが、直売所に6~7億円も掛けて大丈夫か?と思ってしまうのだが、そうした部分は職員にかかってくる。もしそんなことになったら、なんで筑前あさくらやみいのその地域のJAと提携しながら、にじにない品物はコッチのJAから持ってくるとか、そうした指導をやるのは中央会の役割りだ。個々の営農指導員にしてもそうで、JAの域を超えて、他のJA管内の農家を指導しても良いのではないか。こうすればやれるのではないかと考えていくのが役割りとしてある。
確り総括しないと、いくら県内を数JAにしても繰り返すことになりかねない。例えば、伊藤忠も数年前に経営危機を迎え、今の会長の丹羽さんが社長に就任した。その時に公用車を廃止し、社員と目線を同じにして、リストラも含めた改革を実行した。これがなぜ成功したのかは「クリーン・オネスト・ビューティフル」だ。
クリーンで職場の透明性を高め、情報を開示する。株主にしても、社員にしても。オネストでウソをつかない。
そしてビューティフルな経営をやる。そうすることでワンマンをつくらない。そして昨年、社長職を引いた。何故かといえば、丹羽さん自身がカリスマ化していることに気付いたのだ。
このことがいままでのJAではどうだったのか。クリーンだったか。オネストだったか。全農は6回も業務改善命令を受けている。6回も受けて、まだドカンとある組織も良いのか。悪いのか。ビューティフルだったか。安河内さんにお願いしたいことは、東京はどうか。全農はどうかと確りやってもらわねば、山科さんからの意見でも、我々のみでは云々というのがあるので、上に向かってやっていただきたい。
我々労組も古典的労働運動では、雇用と身分は守れないと思っている。古典的というのは、あれが悪い。役員が悪い。そうした考え方だけではやっていけない。やはり、そこの農業と農協が生き返らねばならない。だから中央会にはもっと指導力を発揮してもらい、頑張ってほしい。
平岡
氏
主催者のご意見から組織論の指摘があったが、JAの問題として現状追認型で他産業の成功神話を追っかけるところがある。全中・全農は経済産業省の追っかけ的なところがある。
しかし、農業は他産業と一線を画すところがあるので、いまの話からならば、ブレイクスルー(※)的な「こうあるべきだ」という視点で実現には何が問題だという討論になるべきだ。
※
科学技術などの飛躍的進歩。また,難関・障害などを突破すること。前進。進展。
今日、どこまでできるかというのは困難なところもあるだろうが、ひとつ言えるのは、固定的にJA機能を考えず、JA間提携、これは成功事例がもうすでにある。JA岩手花巻と和歌山のJA紀の里ではリンゴとミカンの交換をやっているし、群馬のJA沢田では自分ところの加工品を直売所に出している。単協レベルではあるが、全国レベルで組織の意志としてやってはない。そこを考えていくことになるのだが、安河内さん、個人的な考え方で良いのだが・・・。
安河内
氏
沢山あって、どれから話していいのかと思うが、やはりカリスマ性のある経営者が逆に組織を潰すことにもなりかねない部分もある。
平岡
氏
確かに、トップダウンといって、トップがダウンしてはダメだ。
安河内
氏
やはり、コーポレートガバナンス(※)の考え方だと思う。どう監視するか。監視ができるということは、農家が協同組合に関心を持って、積極的に関わってもらうしかないかもしれない。そして関心を持ってもらうためにJAがどう動機付けをするか。中央会も全力で考えたい。
※
会社の不正行為の防止あるいは適正な事業活動の維持・確保を目的とした会社システムのあり方をいう。具体的には監査役・株主総会等による取締役の行為のチェック-システムとの関連で問題とされる。広義には,経営者が株主から預かった出資金を効率的に運用し,利益を上げるシステムとして捉えられ,株主ばかりではなく,従業員や取引先,その他社会一般の利害と企業との関係を問う視点へとその問題領域は拡大してきている。企業統治。
そして、JA間提携ができないかとのことだが、AというJAの指導員がBのJA管内の農家に指導できないのかだが、これは中央会としても続けてきている。現実的に上手くいってない。叱られるかも知れないが、自分のところの直売所でさえ、農家によっては入れさせないということがある。そんな状況で他所のJAの云々が、理論的には可能なのだが、いま農家がそこまで考えているのか。
平岡
氏
成功事例があるが・・・。
安河内
氏
確かにそうだが、上手くいってないところも多いのだ。そこをクリアにするためには農家に頑張っていただくことも、経営者側で言うならば、ヘタすればリスクのみになってしまうかもしれないということ。
平岡
氏
方向としては良いのだろうか?
安河内
氏
結構なことだと思う。その阻害要因をどう排除するかということだ。
次に指導面だが、これは全国段階でも出ているが、指導のワンフロア化。中央会、全農県本部、行政が同じフロアに集まって、同じ視点で農家を指導していったらどうかということで、福岡県も中央会と県のほうとふくれんと協議している。しかし、問題としてその財源は誰が担うのかの問題がある。それは補助金が付いてキチッとやれればいいのだが、いまの財政難の時代にもしかしたら農家だけがリスクを負う可能性がある。自分のことは自分でやれという論理になったら、大きな負担になる可能性がある。理屈ではすごく良いもので進めたいと思うが、指導団体が一致して農家を支援する。JAに差がなく指導するのが方向性は間違いない。どうしてもコストがネックになるのでクリアにしたい。
もうひとつ、経済事業改革では3月に全中の総会があって基本方針を決定した。法律的には、JAを全中と県中が一体となって改善しようとなっている。その決定は3つあり、ひとつは販売強化。JA自らモノを売れないと、農家のニーズに応えられない。そして、経済事業改革は推し進める。そして併せて合併はキチッとやる。この3つで方針が定められた。当中央会でも経済事業改革が待ったなしになった。難しい課題を背負うことになった。ただ法律で決まったわけだからやらざるを得ないと考える。
平岡
氏
興味深い話だった。営農指導をJAの壁を越えてやるべきとのことだ。地域的な問題や具体的にはいまからとなるだろうが、JAごとの指導を変えるという考え方は出てきていて、中央会も良いと考えるがコスト的な問題をどうするか。これはブレイクスルー的な考え方で、あるべきだからコストをどうする。スタッフどうすると、地域差をどうすると、問題は山積するだろうが方向は充分考えられる。
もうひとつは、販売にポイントを置くべきだとの考え方。そうなるとJAでもそれだけの人材育成だとか、組織づくりが出てくるわけだが、そうした考え方にご意見があればと思う。色々な意見が組み合わさって、統合論的なものができればと考えるが・・・。大谷委員長、どうだろうか?
大谷
委員長
具体的なものとは言えないが、先ほど専務から事業利益が10年前からガタ落ちということがあったが、福岡が持ちこたえたのはリストラだということだったが、他企業とは違って、JAはいつの間にか職員が辞めている。自然減だ。企業は事業を考えて希望退職を募る。JAでは明確な事業構築で希望退職を募ったところは殆どない。いつの間にか、いない。ここが最大の問題で、結局それが職員の士気の低下に繋がって意識の低下だ。これが新しい事業をやるとか、変えようという姿勢を無くしてしまった。結局、労務管理がメチャクチャ、ヘタなのだ。やる気を重要視しなければいけないと思う。言葉が悪いが、使えなくなったら渉外担当に異動、こんなことが全てに繋がっていると思う。
平岡
氏
農家のパネリストの方はJAの大変だなと感じているかもしれないが、最近はよくそんな話を聞く。この話には最後はオチがあって、怒られるかもしれないが、良いヤツから辞めていくというのだ。これがまた怖い。そんな面で、戦略的リストラではなく、自然的リストラの面が強いかもしれない。甲斐さん、アドバイスがないだろうか?
甲斐
教授
大谷委員長のお話は、私、直売所に行ったときに良い直売所の店長はJAを辞めたひと、そんなのが多い。県内でも。自然で辞めたのか。辞めさせられたのか。追い出されたのか。そんな問題がある。あるひとが言うが、大根みたいなものらしい。先ず、間引きする。そして育ったらヨコから引き抜かれる。お手上げだと言っていた。育てていくという考え方だ。安河内さんは非常に優しい専務だなと感じる。キチンと一生を考え、キチンと処遇されることが必要と言われた。
平岡
氏
その考え方は最近、見直されている。アメリカのような、ドラスティックな人事は日本ではダメとなっている。
甲斐
教授
もう一度、家族的雰囲気のなかでやるべきとの考え方だ。今日の発言なんかは組合長に聞いてもらって、一緒に考えないとダメだ。
平岡
氏
企画が大変そうだ。安河内さんは部長を並べてと言っていたが、来年は大変だ。安河内さん、どうだろうか?
安河内
氏
大谷委員長に手厳しくやられて汗を掻くが、農業の協同組合はこうした性格がある。組合員がJAに参加する。経済的なインセンティブというのか。これが弱い。なぜなら協同組合だからだ。基本的に出資を制限しているから、お金持ちがJAに出資して儲かるか。このインセンティブは弱い。ただ、怒られるが、農家から言えば、JAに参画するにメリットがないという感じているかもしれない。ただし、職員は全てJAに身を預けている。ウラハラなのだ。だから、職員は辞めさせられると言えば正にクビが飛ぶということになる。職員には重大な問題になるのだ。そこは充分に認識している。いつの間にか辞めていったということで、積極的なリストラではなく、穏やかなリストラである意味では良かったのではないかということも考えるのだ。イビり上げて辞めさせたのではということは、変な人事異動があったのであればやはり問題だと思う。労組の理解を得られないリストラはやるべきではないと考えながら、JA指導をやっていきたい。ただ、福岡ではドラスティックなリストラはやるべきでないと思っている。みんなが生活の安定を取れるようにしたい。中央会とみなさんで頑張りたい。
平岡
氏
企業ではとてもキツイと聞く。特に外資系なんか凄いことになっている。そういう意味でJAは羨ましがられる職場なのかもしれないのと同時に、穏やかに行っても大丈夫なのは、農家から見れば、ひたむきさがないではないかということになるのか。
ここで会場からご意見をいただきたいが・・・。
広渡
氏(遠賀支部)
遠賀の広渡です。農家もいるので生産の部分についてお聞きしたい。
JA間提携ができないかということだった。まだ伝わっていないだろうが、県内3JA構想で、遠賀で言えば福岡豊築や福岡みやこと合併し、かなり範囲が広がる。そうしたJAのなかには直売所がいっぱいある。直売所でも小倉地区JAのものを取り扱っている。共販で言えば、かつてはJA同士で連携することは考えられなかった。競争意識ばかりだった。ウチは小さなJAなので、例えば、隣のJAにもナスを小規模でやっているのであれば、一緒にやらないかと営農指導員は話をしていた。しかし、部課長や部会に話しても「できるわけない」で止まってしまった。市場も認めなかった。規格をとっても分断された。かつてはそんなことがあった。しかし今度合併の話のなかでJA間提携ができないかと、農産物のやり取りをやらないかと取り組んだら、やっと協議会が立ち上がった。これは農家に理解をもらってやらなければならないが、動き始めている。やってやれないことはないのだ
そして営農指導員の話で、遠賀でも突然、金融からやってきたりする。野菜の種類もよく分からない状態だったりする。仕方ないと思うが、さっきの大谷委員長の話で隣のJAに指導に行く。それも良いが、例えば本当にJAの営農指導を、長年やっているが、営農指導に来たら指導員なのだ。知ろうが知るまいが指導員だ。それは渉外も一緒だ。農家からは「プロ意識がない」と指摘されるが、最初から知っているものはいないので育ててもらいたいが、今後、営農指導を強化していくときに専門職である程度の知識は必要なので、遠賀であれば、ビワなどがあるので産地振興したいと考えるなら、JA間の競争ではなく、留学研修、JA同士での留学研修の制度を作ってみてはどうだろうか。中央会にも協力をお願いしたい。そして、ふくれんでもイチゴとか、柑橘などの生産量の多いものは頻繁会議がある。しかし、マイナーなものでは全く無い。ウチでは赤シソがあるが、殆ど産地が無く、相談しようが無い。ふくれんも寝たフリのようだ。そうした指導が必要だ。
そして、直販関係では農家は言ってきている。その場合のリスクの部分。リスクを背負ってやるにはやはりプロがいる。その教育はどこがするのか。ふくれんの宮田工場に習いに行けばいいということでもないと思うので、福岡八女の直販の相当のリスクでやっていると思う。そうしたことは各JAでバラバラにやっても仕方ないので、中央会もマーケティング研修などもやっているが、専門用語でさえわかってないと思う。推進機構もそうだろう。是非、まとめていただきたい。
農家の経済余剰が出るようにやっていきたいとJAも頑張りますので、ご協力をお願いしたい。
平岡
氏
いまのお答えの前にもうお一人、どうぞ
倉富
氏(JAにじ青年部長)
JAにじの青年部長をやっている倉富です。平岡先生、お久しぶりです。いまの意見に重なるが、委員長に言いたいことは、農家もいるところで労組の話は止めていただきたい。『どうなる!どうする!「農協」』のテーマなのに、そういう話ならば呼ばないでほしい。ハッキリ言わせてもらう。
話の中身は、委員長の異動の話だ。安河内さんの話は、私自身、理事会に出て行って、いつも同じ話を聞く。タマゴが先か。ニワトリが先かの話と同じであって、ではJAが潰れても良いのかという話だ。先ず、営農指導だ。せめて営農指導、販売、購買、この3つの部門の異動に留めてもらわねば、いま「育ててほしい」と言われたが、育てても異動してしまう。さっきも、歳が重なれば支所長になったり、部長に、ということになるのはよく分かる。ならば、新たな提案として、担当を年俸制で呼んできても良いのではないか。そうした指導を中央会がやっても良いのではないか。自ら動くというのを言われるが、我々農家、特に青年部が動かなければ変わらないと思う。そのために活発に活動できるように、中央会やJAにはやっていただきたい。これは性格もあるとは思うが、組織が上手くいっていないような気がする。いざ、動こうとしたときには、我々では事務的なものができない。JAで事務的なことをやっていただければ、青年部はやる気はあるので、そうしたことを踏まえて討議をお願いしたい。
平岡
氏
大谷委員長の発言は、これからのJAが活動をするうえでカリスマ的経営者ではやりにくいことや、マーケティングなどの面で、ブレイクスルーさせるためにはどうしたら良いのかということを私とのやり取りのなかで発言していただいた面もある。倉富さん、ご了解いただきたい。そうした視点が大谷委員長にもあると思うので、あとで発言いただきたい。
いまの発言には色々なアイディアがあった。私も同意見だ。広告会社では、企画系と営業系と管理系のフィールドがあり、最後まで同じだった。偉くなれば別だが・・・。倉富さんが言っていたのは、そうしたフィールド別の垣根を越え異動は大変だということ。こうしたことは商社でもよくあるようだ。そこはどうだろう?
安河内
氏
おっしゃるとおりで辛いが、今後、営農・販売が重要課題になることは当然なことなので、そういう人事制度を構築していきたい。販売するところの教育だが、中央会はモノを売っていないので、細かなところが分かっていない。他にまる投げの状態だ。いままで販売企画士とは3級の処遇だった。それではいけないとの指摘で販売士2級を立ち上げた。これも他企業のノウハウを・・・という話なので、中央会もそうしたノウハウを身に付けたいと思っている。時間をいただきたい。
平岡
氏
あと、リスクといった案件の要望があったが、そうしたことは可能ではないか。そうした方向が出れば・・・。難しいと言えば難しいが・・・。
安河内
氏
例えば、ウチの直売所で隣のJAのものを売って、それで病人が出た。だれがリスクを負うのか。なかなか難しいのだ。売ったものの責任か。JAとしては難しい。作ったひとなのか。リスクを明言できないところがあって、中央会もやりにくいというところがあって、努力したい。
平岡
氏
「難しいならできないのか」という意見が出そうだが・・・。そうなると情報の共有化や契約でも良いから営農指導の人を云々という、いま結構多いようだ。営農指導員が足りないから、行政がOBを普及員のようなかたちで契約したりするなど、アチコチで出てきた。JAも大きな枠組みで営農指導の方向をつくっていくような時代になったと感じるが、甲斐さん、どうだろうか?
甲斐
教授
そうだと思う。特にこれからは団塊の世代のリタイアで色々な知識や技術を持った人がやってくるようになる。企業に勤めていたひとも、退職後に知識を取得してくる。第2ラウンドの人生を地域に戻ってJAの契約職員になる。持ってるノウハウを地域やJAで活かしてもらうようなことになるだろう。先日、北九州に集落営農のことで行ってきた。集落営農は老人ばかりだが、そのマネージャーは誰かというと新日鉄を辞めたひとがやっているのだ。五十数戸の農家を引き受けているのだから結構大きい。そうした管理はパソコン等を駆使してでないとやれない。そういうことはお勤めのひとのほうが得意だったりするのだ。そしてオペレーターは誰かというと、JRの元職員だ。リタイア組が集落営農を支えているのだ。
平岡
氏
JAの周りを支えてもらうということ。
甲斐
教授
そのとおり。そして、農業も中心を担い手にやってもらって、その周辺をリタイア組がサポートしていくというのが重要だ。そういうことが重要だと思う。
平岡
氏
これ関連でご意見がないだろうか?大谷委員長でも宜しいが・・・。
大谷
委員長
やはり販売力をどうするか。営農指導員を、担い手をどうするのか。労組というか、職員も勉強しながらやるべきだ。確実に職員数は減ってきているから・・・。
平岡
氏
先ほどの倉富さんの意見で青年部を活用ということがあったがどうだろうか?
大谷
委員長
例えば、福岡嘉穂では配達を、配送をふくれんに委託してやっているが、あれをJA青年部のOBだとか、営農指導員OBだとかで配達と指導を重ねてはどうかと思う。そっちのほうが良いようだ。こうすればやれるというのを創っていくべきだ。
平岡
氏
山科さんは現役としてどうだろうか?
山科
氏
つくづく思うのは、先ほど商社からという話で・・・。
平岡
氏
凄く売るそうだ。
山科
氏
「職員がいるのに、なんで連れてくるのか」と我々は腹立たしく思わねばならない。
平岡
氏
部長は喜んでいた。
山科
氏
職員として、ここには農家もおられるので、勉強をしていきたいと思う。営農指導もしながら、経営指導、税務指導、最終的な営農指導員を目指しているし、さっき、山下さんからあったように「今年はダメだった。取れなかった」、そんなときに「じゃあ、どっかを抑えましょう」といった指導、今後の生活指導までできる営農指導があれば良いと考えている。
もうひとつ、永冨さんからもあったように流通販売経路を見つけてほしいとあったが、流通は大変難しいとは思う。その道のプロでなければ、どの販路に流すのが良いのか分からないと思うので、職員として勉強して農家に聞かれて答えられるような職員が1JAに一人はいるようになりたいし、ならねばならないと思う。本日、来てある農家はまだJAのことを見ていただいていると思うので、そうした方々にJAを離れられたらJAは終わりだ。そう思っている。さっきのように意見をバンバン言って欲しい。我々はそれを糧に勉強して、絶対に応えられるよう努力をする。よろしくお願いしたい。
平岡
氏
倉富さん、もう一回発言をお願いしたい。
倉富
氏
その言葉を待っていた。そのつもりで、私はここに来た。青年部もそうだと思う。さっきの岩手と和歌山の話は青森と和歌山の話だったと思う。
平岡
氏
JA岩手花巻の話だ。
倉富
氏
前全青協会長の原さんのところだったと思うが・・・。
平岡
氏
それは直売所提携の話だったと思う。
倉富
氏
では、祭なんかで連携ができるのは、やはり青年部だと思う。動くことは青年部ができる。我々もそうしたいと思っているので、担当によっては異なることもあるかもしれないが、県青協はそうした考えでやっているので、事務局体制をお願いしたい。我々も青年部に入っている限り、JAには確りやってほしいので、モノを言うし、モノを言えば確りやらねばいけないことも分かっているので、よろしくお願いしたい。
平岡
氏
こうなると、エールのお返しをしていただきたい。
安河内
氏
冒頭にも言ったが、パネリストで呼んでもらって感謝したい。農家・職員のご意見を聞けたのは大きな収穫だ。今日の宿題は充分に検討したい。
本日、農家の方に申し上げたいのは、JAの役員が昨年3カ国視察にまわっている。アメリカ・ニュージーランド・ミャンマーだ。私はミャンマーに行ったのだが、そこでビックリしたのは、アッチの賃金水準は日本の200分の1程度と言われる。農村部にも行ったが、これはもう悲惨な状況だ。みなさん、裸足だ。ムラに入ると乳飲み子を抱いた子どもが我々の後をついてくる。モノ乞いだ。絶対にやってはいけないと言われてやることができなかったが、ミャンマーの農村部は概ねそうした状況だそうだ。そしてそのなかで精米組合を視察したが、そこで疑問に思って「なぜ農協に行かないのか」と問うた。ミャンマーには農協は無いのだ。結局、コメを買うところが組合をつくって、農家からコメを持ってくる状況だ。農家がモノを言うところが無いのだ。お願いしたいのはJAに対してご要望、ご批判、色々あると思う。真摯に受け止めたい。農協への結集が失われたときに、他の国では苦しい状況が出ているので、そうした部分を理解していただき、JAへの結集をお願いしたい。
そして、職員はオピニオンリーダーであるので、より高い意識の農家を育成する。協同組合人として育成するということをお願いしたい。
平岡
氏
時間が超過しているが、もう少し。
会場から女性の方のご意見を聞きたい。男女共同だ。県連はどうだろうか?無いかな。ではそこの女性の方、どうだろうか?折角だからお願いしたい。
福岡支部の女性
JA福岡市です。
平岡
氏
ちょうど良い。甲斐さんの話で福岡市は草刈場になっているとのことだったが、今度直売所ができた。・・・ん?縦割りの悪いところが出たかな?感想でも良いが・・・。
福岡支部の女性
営農関係を全くやってなくて、窓口しかやってなかった。大変勉強になった。
平岡
氏
とても、優等生な発言だ。有り難う。
それでは、最後に発言をお願いしたい。山下さん、どうぞ。
山下
氏
農業協同組合を、私は柿を作っているので柿の木に例えれば、柿の木はハッパが出て、ツボミが出て、花が咲いて実ができる。ハッパも日が当たらなければ機能しない。枝が重なっていると、益々ハッパに日が当たらない。日が当たるように手伝ってやらないといけない。全員に日が当たるように、職員と農家で頑張って大きな柿の実がなるようにしたい。これからもよろしくお願いしたい。
平岡
氏
最後にしたほうが良かったかな。JAを柿の木に、みなさんをハッパに例えて日が当たるようにといういいお話だった。では永冨さん、お願いします。
永冨
氏
昨年、台風でウチのミニトマトも被害を受けた。いまは半分の施設でやっている。生産者としては来年まで苦しいようだ。これからも互いに頑張っていこう。
平岡
氏
有り難う。さっきの現場力の話だが、やはり農家の気持ちを汲むには、現場でやるしかないのだ。数字では分からない。いつも言うことだがフィールドワークとフットワークだ。年2回ぐらいでは全然ダメだ。私の会社では優秀なプランナーはしょっちゅう、現場を見てまわる。ボーとしているようだが、やっぱり見て考えている。中堅の職員のみなさんにもそうしたことをやっていただけると、うれしい限りだ。
では、甲斐さん、まとめをお願いしたい。総論でも良いが・・・。
甲斐
教授
今日は有り難うございます。。先ほど安河内さんがいわれたミャンマーの話。私もそう感じる。タイでは農業協同組合省というぐらい、協同組合を大切にしているはずなのだが、実態は全くダメだ。インドネシアもそう。ミャンマーもそうだ。アジアは協同組合が大事だと言うが、本当に機能していない。日本の農協は素晴らしいと思う。確かに問題はあるが、日本の農業を支えているのは、やはりJAなのだ。みなさんで頑張って、職場を、地域を守っていただきたい。今日は招いていただき、有り難うございました。
平岡
氏
時間が来て私からは無いのだが、何か言わなければまずいので・・・。
いままでのお話しを聞いて、私はいつも「ホウレンソウ」と言っている。みなさん、「報告・連絡・相談」と思うだろうが、大分県に臼杵市がある。そこの市長と話しているときに一緒に作ったのだが、みなさんの立場、あるいはJAとしての立場で「ホウレンソウ」があると思う。先ず「方向づけ」だ。それは今日の話で色々出たし、労使で安河内さん、大谷委員長からそれぞれ発言があった。これは同じ方向を目指している。但し、現時点での「方向づけ」をやってきたが、それは10年先、将来を予測した「方向づけ」でないといつも出遅れることになる。私はいつも10年早いと言われるが、農業は10年遅い。他企業はこれからどうなるかを考え、先に行こうとしている。JAはそれをやらなくても、状況が変わらないときは非常に強い組織だったが、こんなに状況が変わるとやはり「方向づけ」が重要だ。
そして「連携づくり」。さっきあったJA間連携や生産者との連携、その他、辞めた人たち、他企業との連携だ。これをどうやってつくるのかということ。
そして最後に「総括目配り」。これがJAの大切な役割りだろう。「ウチの地域はこれで良いのか」「方向は良いがやり方を変えねば・・・」と考えねばならない。これが従来の「報告・連絡・相談」の「ホウレンソウ」に加えて「方向づけ・連携づくり・総括目配り」の「ホウレンソウ」を申し上げたかった。
最後に、「核はあるけど、枠がない」これが一番良いと思う。核として協同組合が確りあり、あと枠は、これは状況によって枠は変わるので、「核はあるけど、枠がない」っていうのが、やりがいがある仕事になるので頑張るしかないと思う。
今日は、色々な発言があって、本音の部分も出たと思う。本当に有り難うございました。
重松
氏
ありがとうございました。パネリスト、そして会場のみなさんからそれぞれの立場から色々なご意見をいただいた。みなさんの思いはただひとつ、「JAを善くしたい」「善くなって欲しい」という思いだ。また、生産者の山下さん、永冨さんからも「お互いにがんばろう」というあたたかいエールをいただいた。あとは実行することだ。これが重要だ。今日の日が、1年後、2年後、3年後にあの日から変わったと、あの日からJAが変わったとみなさんが思えるようになればと思う。
会場のみなさん、今一度、大きな拍手を持ってお礼に代えたいと思う。ありがとうございました。
― 閉 会 ―