※「委員長からのひとこと」は、全国農団労の『委員長のひとこと・・・ワンポイント講座』とて掲載いたします。下のボタンをクリックください。
JA福岡県労働組合

新年にあたり・・・、組合員のみなさんへ
昨年1年間の皆さんの課題解決に向けた様々な活動に対し、心より敬意を表すとともに、今年も全国本部への結集をお願い申し上げます。特に、昨年は総選挙に向けての政策実現運動への邁進、ありがとうございます。いよいよ、最終決戦の年です。『政権交代』そのために、組織内、推薦候補の勝利に向け互いに頑張りぬきましょう。
振り返ってみれば、昨年の後半数ヶ月のうちに『歴史的』と言っても過言ではない動きがありました。当然、誰しもがふれるであろうあの、サブプライムロ―ン問題が引き金となった米国の金融危機です。その現象は瞬く間に世界に波及し、株や証券価格を暴落させ、金融市場の混乱を引き起こしました。この世界的な景気の減速・後退は、日本においても実態経済への影響を直撃し、特に、自動車や電機など働く者の『雇用』の不安へと拡がりを見せています。労働組合としての社会的責任を自覚し、運動の強化を図ることがあらためて問われていることは間違いないでしょう。
総じてこの1年間は政治・経済・社会など日本全体が揺れ動いた年。食や金融、経済そして政治など様々な分野において『変』が充満した年、だと言うことでしょう。その影響がさらに拡大し、今年も厳しい1年になろうであることは容易に想像できます。私はこういう時だからこそ働く者の結集が必要不可欠であると確信しています。つまり労働組合の出番ではないでしょうか。
さらに、今日の世界的穀物価格の逼迫は世界の食糧危機の到来を予感させるものであり、近年の食の安全・安心の不祥事は国民の『食料』に対する意識変化へ繋がっています。私たち第一次産業に働く者で結集する労働組合の『食』そして『農業』再建の運動の質が問われています。系統農協労働組合の出番であることを自負し、地域農業再建の運動をさらに強固に推し進める必要があります。
いずれにしても、労働組合の使命は、『労働者の地位の向上』にあることは周知のとおりです。その『地位の向上』が、いま、脅かされようとしています。昨年の後半以降動き出した環境は、政治・経済・社会など日本全体が新しい時代へ突入することを、予感させるものではないでしょうか。こういうときこそ私たちは、主体性を持って新たな創造をしていく情熱と気概を持ち続けることが必要でしょう。私たちは変化や変革が常態化していく時代を、好むと好まざるとにかかわらず、生きて行かなければならないのです。まわりの環境が変化したから、それにただ単に対応するだけでは生き残ることは不可能です。主体性を持ち、中長期的視点を見据えて運動を展開しなければ組織(農協組織 労働組合組織)は埋没していくでしょう。
今必要なことは、常に自らを見つめ直し、意識改革に一人ひとりが取り組んでいくことこそがきわめて重要なことなのです。また、労働運動も難しい現実の渦中にあります。当然ながら外野席で観戦するわけには行きません。労働組合組織や私たち一人ひとりの役割やあり方があらためて問われています。組織の強みは何なのか、また、弱みは何なのか・・・・・何をどう伸ばし、改革しなければならないのか。徹底した論議を開始し、行動・実行しましょう。
今年も多くの課題が待ち受けていると思いますが、転換期は次のステップだと心に刻み、常に目線は職場の仲間へ、そして、あらゆる可能性に果敢に挑戦し、例え困難であろうとも目標に向かって頑張りぬきましょう。
お互いに輝きのある年になることを誓い、新年のご挨拶とします。
――全国農団労『機関紙』掲載――
大谷委員長:全国農団労第21回定期大会挨拶
日時;2006年7月25日13:30〜26日15:00
場所;長野・ホテル国際21
来賓の方々にはご足労頂き、感謝申し上げたい。
まだ地元選出の民主党の篠原代議士は来ていないが、挨拶に来て頂く予定になっている。テレビ等で有名な麻生太郎代議士(現 自民党幹事長)が長野に来ており、そのため遅れているそうだ。私の地元は(麻生幹事長と同じ)福岡県の飯塚であり、麻生氏にも頑張ってほしいという気持ちも少しあるのだが・・・。篠原代議士はそちらへ顔を出してから来る予定なので、来られたら挨拶を受けたい。
私たちは第一次産業に従事しており、農業政策や農協の様々な問題について、衆議院では篠原代議士を中心に、参議院では郡司議員を中心に組織内議員としてわれわれの立場から一所懸命応援して来ている。それぞれ選挙区選出なので、(篠原代議士については)長野以外のところで票がある訳ではないが、制度政策カンパという形で皆が気持ちを一つにして応援して行こうと考えている。この政策カンパをきちんとやり遂げることを皆さんにお願いし、私からの挨拶をおこないたい。
労働組合の活動の基本は、一つには働きやすい職場環境を確立することがある。そのために労働条件の向上を図る――これは当然のことだ。ところが、今日の社会を見ると様々な点で腐敗している。例えば、社会保障の問題にしても、年金はあれだけ滅茶苦茶になってしまった。あちこちで私たちが想像もつかないようなことが発生している。昨年の参議院選挙の逆転によって、こうした事態がどんどん明らかになって来た。そして、今日の高齢者医療や、少子化対策、教育、何よりも格差といった社会全体の問題については、大衆運動だけではなかなか解決しないところがある。なので、政治を動かさなければ(これらの問題の)解決は図れない。今が絶好のチャンスであり、政治を変えていこう。こういうことで現在の野党・民主党を基軸に政権交代をさせる――あらゆる膿を明らかにし、出し切って、新しい構造・社会を作って行くのだ。皆さんの中には「労働組合が直接政治に関わるのは如何なものか」という意見もあるが、私が述べたようなことは社会全体として見逃せないことだ。そういうことで、私たちの運動を前進させるためには、(社会的な問題と)切っても切り離せない状況になっていることを改めて確認したい。後ほど出席されると思うが、篠原代議士への絶大なご協力を願いしたい。
ちょうど一年前に農団労の第20回定期大会で前任の岡田委員長が退任された。私が(後任の)委員長を務めることとなり、私なりにがむしゃらに頑張ってきたところだ。評価は私ではなく皆さんが決めることだが、(とにかく)頑張って来た。執行部としてお願いしたことは、とにかく動くことだ。農協や第一次産業の中で、今何が起こっているのか、私たちは組織内の運動に依拠しすぎたのではないか――20年を節目として動いていこうと、この間オルグを重ねて来た。私なりに見えたことは、職場の中に不安が蔓延しているということだ。何故かを考えてみる。金融の問題で4%や8%という自主ルールが数年前に確立した。その(ルールに抵触し破たん)第一号となったのが、岡山県の
執行委員会で「出向いて行こう」「オルグを重ねよう」「農団労以外の組織にも積極的に足を運ぼう」ということを確認した。今が組織を拡大・強化する最大のチャンスだと位置づけ、難しいところもあったがずっと(オルグに)入ってやって来た。そういう点では先日の(春闘)討論集会に宮崎の仲間が参加してくれた。本日の定期大会には、大分の仲間・静岡のなんすん農協の仲間が、というように着実に連帯の輪は拡がっている。とりわけ大分の仲間は6月1日に16農協で県域合併を行った。私はこの間(大分の労組結成に)関わってきたが、そうした不安があったからだろう。6月21日には早速労働組合を結成、農団労の加盟もその時点で決定した。今日はオブザーバーとしての参加だが、農団労加盟への決意を述べ、正式にはこの後の執行委員会で確認をして行くことになっている。その背景には、今私が述べたような不安が蔓延していることを確認しなければならない。
その不安はどういう形で解消するのか。解決して行くのは労働組合しかない。労働組合と言えば経営者側が少しピリッとするくらい影響力のある労働組合をどう構築して行くのかが、最大の問題だろう。770農協全てが厳しい訳ではないが1割近くの60〜70農協は厳しく、200くらいの農協は事業外を含めて何とか成り立っている。それでも200〜300農協は頑張っている。オルグを重ねて来て言えることは、一定程度経営が安定している農協は間違いなくそこの労働組合に活力があることだ。労働組合の活動が職場内にきちんと存在し、働く者の意思が統一されていることは間違いない。そういう労働組合は、きちんと職場内の問題や課題などが発信されている。「これはおかしい」「この支店統廃合はこの点がおかしい」「こうすべきだ」といったことが組織として発信されているのだ。その言葉は単に既得権を守れということではない。ただひたすら労働組合の要求のみに突っ走るということではない。農協はこれで良いのかという危機感のある言葉なのだ。
大分で労組を結成する時に、県内には全農協労連加盟のところもある。16農協中6農協は全農協労連加盟の労組だ。残り10農協は、職員組合や(産別非加盟の)労働組合だ。この間私が入ってこの10農協を束ねた。その時に言ったことは、「守るべき既得権は存在するが、厳しい時は涙をのんで諦めなければならない既得権もある」ことだ。既得権を守る運動をするのなら、なかなか難しい。現状を考えると、大分には全国1割の欠損を抱える農協が7〜8農協ある。だから全国支援を受けて県域合併ということなのだ。逆に言えば、全国支援を受けるのなら県域合併ということになるだろう。今必要なことは新しい農協をどう軌道に乗せるかだ。そのことが将来的に雇用と身分を守ることにつながって行く。まずは危機感をきちんと持つことだ。(大分は)100億超の支援を受け6月1日から合併する訳だが、5月31日の職員が翌日になったら生まれ変わるのか。今まで1の仕事が3というように、一晩経ったら変わるという人はなかなかいない。私たちは労働組合を通して危機感を職員にどれくらい浸透させきるのか。職員を生まれ変わらせ、やる気のある職員をどう作って行くのかが、労働組合の最大の役割にもつながって行く訳だ。もう後がないのだ。そのためにはそういう労使関係を築かなければならない。私は「既得権を守る運動も良いが、私が言っていることも一理・二理あるのではないか」ということを言った。これからの労使関係はどうあるべきか。一言で言えば、労働組合対策ではなく人材育成という観点での労務対策を作るということだ。大分の経営者に私も含めお願いしたことは、労働組合対策という観点で今後も労使関係を持って行くのならおそらく失敗するだろうということだ。今必要なことは、労働組合対策ではなく労使がどう人材を作って行くのかという観点で労務対策を切り開くことだ。そのためには労働組合と二人三脚で労務問題に取り組むという職場風土を確立するということだ。
あらゆる所で不祥事が起こっている。特に昨年から食に対する不祥事は目に余るものがある。第一次産業労働組合としては悲しい限りだ。しかし、それら(事件)を見てみると職場風土に問題がある。結局、問題提起が不可能な職場になっている。だから、告発という形になって行くのだ。きちんとした職員組合や労働組合があってきちんとモノが発信できるような組織があったのなら、「おかしい」と発信できたのではないか。そういう意味で職場風土に問題があった。問題提起不可能な職場にいつの間にかなっていたのだ。不二家にも労働組合はある。私はIUFの海外労働学校へ参加し勉強してきたが、不二家やキリンビールなどの人と名刺交換して立派な組織だと当時は思った。今は大した組織ではないと少し思っている。結果としてそういう職場を作ると私たちの職場や企業の信用は崩壊し、私たちの労働条件の悪化ならまだしも雇用・身分もなくしてしまう。労働組合の対応というものが非常に重要ということだ。
これからの労働組合運動について、少し話をしたい。今までの労働組合の活動の基本は、冒頭にも触れたが、労働条件の維持・向上と雇用・身分の保障、そして組合員への様々な福利厚生の提供ということがあった。これに加えて新しい3つの方向があるのではないかと考えている。一つは、コーポレートガバナンスの一翼をきちんと担うことだ。つまり、不祥事を撲滅するための運動を基本に据え展開して行くことだ。日本型のコーポレートガバナンスやコンプライアンス態勢の構築は、労働組合の力量にかかっている。伝統的に良質な組合役員を養成してきた組織というのは、労働組合が経営者に対してチェック機能を果たしてきた。あまり活動をしていないところは、チェック機能を果たしきれていない。この事実は農協においても注目に値するし、例外ではない。
もう一つは労働組合に対する期待というのは、経営者も一般従業員も決して小さくはない。今の経営者側は労働組合に対して注目している。労働組合に対し意見反映を求めている。私にも少しあるが、皆さんの中には連合に対して意見があるだろう。(労働組合のナショナルセンターである連合が)大企業産別で成り立っていることは否定できないが、自動車や流通、自治労にしてもいろいろな批判はあるもののきちんとした労使関係を持っている。経営者側も労使協議会を定期的に開催している。あれだけ大きい組織になれば、個別のところは経営者は見えないからだ。優秀な経営者というのは、労働組合を通してその後ろにいる働く従業員の意識を把握しているのだ。そういう点では農協にもそういう経営陣はおり、労働組合に対しる期待は小さくはないのだ。
非正規の人を中心に、労働組合づくりがかなり増えている。私たちは呑気にしているが、ものすごく増えている。非正規の人たちが労働組合に加入したり、5〜10人で労組を結成して地元の連合などに世話になるというケースが多い。私たちは(労働組合に対する期待が)決して小さくはないということを理解しておかなければならない。
もう一つは、私たちの強みは何かということだ。現場をよく知っているということが、労働組合の強みだ。労働組合役員はもっと現場へ足を運び組合員やその向こうの農家組合員と積極的に意見交換をする必要がある。それと、攻めの雇用保障だ。組合員の能力育成をきちんとやって行く。(つまり)社会的に通用する能力を高めるということだ。今担当している仕事よりも価値の高いものにして行く。よく岡田(前)委員長が、「銀行職員が農協窓口に来たら3日で務まるようになるが、農協職員が銀行へ行けば全く務まらず退職を選ばざるを得ない」と指摘していた。現段階では外れていないと私も考えている。私の地元の福岡銀行では、農業対策アドバイザーというのがあり、担当職員も配置されている。確実に農業に進出して来ている。定期的に現状の農業情勢を発信しているのだ。鹿児島では畜産に介入、専属の職員を配置し融資を展開している。確実に世の中は農に進出している。だから、社会的に通用する能力を高めることが必要なのだ。
労働組合の役割として担当している仕事の価値を高めるよう、労組が発信していくことだ。2つ目は、所属長が持つ人材育成機能を強化させるように所属長の育成もやって行かなければならない。3つ目は組合員に対し自己選択と自己責任の原則に耐えるだけの力をつけさせることだ。労働組合は毅然として職員を育成しなければならない。きちんと力をつけさせることが必要なのだ。
全国津々浦々で不祥事が起こっている。系統で1日に1〜2件起っているという。相も変わらず全国農団労の仲間の中でも不祥事が後を絶たない。執行部の中からも不祥事が出るような社会になってしまっている。農協革新には、不祥事をなくすということがある。己を律して労働運動に邁進して欲しい。基本的には人材育成という観点の労働組合運動を作って行くということに尽きるだろ。
3点目は、社会的運動強化の方策をきちんとおこなうことだ。今の社会の不合理を糾して行く。社会正義の追求運動を労働組合として真正面から受けて、きちんと追求して行くことが重要なのだ。労働組合が社会の財産にならないと、
もう一つボランティア活動をきちんとやって行くことだ。常に正社員を雇用し一人前の農協人を育てるように系統組織にきちんと働きかけて行くということだ。なによりも労働組合員を増やす。そういう意味で皆さんは真剣に活動しているのか。この第21回大会を一つの契機に新たな全国農団労運動を作って行こう。そういう気概を持って積極的に職場オルグ、職場外オルグをやり遂げて欲しい。6年前に福岡が全国農団労に加盟して以来、大分が今回加盟をすることとなった。今まで岡田委員長のカリスマがすごかったので、「大丈夫か、この委員長は」と思った方も多いだろう。私も1年で自分の給料分の組織を作って来た。今日から明日の討論では私に対する批判は控えて頂き、積極的な討論をして頂くことをお願いしたい。農業問題等については篠原代議士に触れて頂くことをお願いし、私の挨拶を終えたい。